キリングループには、食から医まで幅広い仕事があります。
本連載「キリンジたち」では、次へ進もうとする人が、どんな仕事をし、何を身につけてきたのか、一人ひとりの歩みを紹介します。
第1回は、キリンビバレッジで大手スーパーマーケットの本部営業を担当する牟田真緒里。売り場に足を運び、店舗で働く方やお客様の様子に触れながら、商品が手に取られるきっかけを探しています。
_ZCkOqq.avif)
キリングループには、食から医まで幅広い仕事があります。
本連載「キリンジたち」では、次へ進もうとする人が、どんな仕事をし、何を身につけてきたのか、一人ひとりの歩みを紹介します。
第1回は、キリンビバレッジで大手スーパーマーケットの本部営業を担当する牟田真緒里。売り場に足を運び、店舗で働く方やお客様の様子に触れながら、商品が手に取られるきっかけを探しています。

牟田 真緒里(むた・まおり)
キリンビバレッジ株式会社 南関東流通支社
大手スーパーマーケットへの個店営業を経験した後、現在は本部営業を担当。売り場で見聞きしたことを手がかりに、お得意先との対話を重ねながら、商品を届ける方法を考えている。
私は量販営業として、大手スーパーマーケットを担当しています。
本部に対して商品やチラシ販促の企画を提案することが多いのですが 、できるだけ店頭にも足を運ぶようにしています。売り場の様子を見たり、店舗の方に話を聞いたりすると、データだけでは分からなかったことに気づくことがあるからです。そうした小さな気づきを持ち帰り、お得意先や社内のメンバーと相談しながら、次の提案につなげていくのが私の仕事です。
今年4月、ヘルシアブランドから、従来品よりも飲み続けやすい味わいを目指した「キリン ヘルシア うまみ緑茶」が発売されました。
従来のヘルシアに苦みの印象を持っている方にも、一度飲んでいただきたい商品でした。ただ、この商品は価格が一般的なお茶より高め。売り場に並べるだけでは、味や商品の意図まではなかなか伝わりません。
どうすれば、最初の一本を手に取っていただけるのか。 店舗の方々と相談するなかで考えたのが、実際に飲んでいただく機会を増やすことでした。従業員の方へのサンプリングを行い、発売翌週には店頭でのお客様に向けた試飲会も実施したんです。まず商品の味を知っていただくことが、自然に商品の魅力を伝えることにつながるのではないかと考えたからです。
もう一つ提案したのが、お惣菜売り場での展開です。
飲料売り場だけでは、たくさんの商品のなかに埋もれてしまいます。そこで、日々の食事と一緒に楽しむ場面を想像してもらえるよう、お惣菜の近くでも商品を紹介できないかと考えました。
飲料をお惣菜売り場で扱ってもらうには、売り場担当の方々の協力が欠かせません。売り場担当の方やキリンビバレッジの個店担当者と話し合いながら、どのように展開したらお客様に興味を持っていただけるか、試行錯誤しましたが、皆さんの知恵を活かして売り場での展開につなげることができました。
その結果、売り上げにも手応えがありました。それ以上に私にとって大きかったのは、商品を知ってもらうためには、説明するだけでなく、飲む場面や出合い方まで考える必要があると実感できたことでした。
キリンの商品だけを見ていても、できることには限りがあります。お得意先が大切にしていることや、店舗が持つ強みを知り、両方にとって無理のない形を一緒に探していく。その繰り返しが、売り場をつくることなのだと思います。
自分の性格を一言で表すなら、「負けず嫌いなチャレンジャー」かもしれません。
うまくいかないときも、そこで諦めるより、「ほかに方法はないだろうか」と考えるほうです。趣味の山登りでも、一歩ずつ進みながら、まだ見えていない景色を目指す時間が好きなんです。
ただ、前に進もうとする気持ちが、いつも良い結果につながるとは限りません。
以前、店舗を担当していた頃のこと。訪問すると、売り場担当の方がとても忙しそうにしていたときがありました。「少しでも力になれたら」と、挨拶や確認をする前に、私も売り場の商品を補充したんです。
ところが、そこは撤収する予定の売り場で、私が補充したことで、かえって片づけの手間を増やしてしまいました。
良かれと思ってしたことでも、相手にとって良いこととは限らない。「きっと忙しいから、先にやったほうがいいだろう」と私のほうで決めつけていたのだと思います。
注意を受けたときは、自分の不甲斐なさに落ち込みました。それでも、次に同じことをしないためには、日頃の接し方から変える必要があると考えました。
それからは、作業に入る前に、その日の売り場の予定や優先したいことを尋ねるようにしました。訪問時の短い会話もおろそかにせず、前回の話や困りごとを覚えておき、次の訪問で確認する。提案するときにも、こちらが伝えたい内容から入るのではなく、まず相手の状況を聞くようにしています。
特別なことをしたわけではありません。小さなやりとりを重ねていくうちに、少しずつ相談していただけることが増え、やがて大きな売り場も任せていただけるようになりました。
相手のためを思うことと、相手のことが分かっていることは、同じではありません。
だから今も、まず聞くこと、確かめることを大切にしています。
今取り組んでいることの一つが、紅茶の楽しみ方を広げる企画です。
得意先のプライベートブランドと「キリン 午後の紅茶」を組み合わせたアレンジティーを考え、店頭でレシピを紹介しています。お客さまだけでなく、店舗で働く方にも紅茶のさまざまな楽しみ方を知っていただき、そこから会話や提案が広がっていけばと考えています。
もう一つ、取り組んでみたいことがあります。
それは、得意先や地域の方々と一緒に、スーパーを起点に地域のつながりをつくることです。
きっかけは、キリンの本社近くに新しい店舗ができたことでした。そのスーパーは、地域に根づいた店舗づくりを大切にしています。また、近隣の大学には、街の魅力を発信する活動に取り組む学生がいたんです。
スーパーと大学の学生をつなぎ、売り場を通じて地域の魅力を紹介することができないか。キリンが間に入ることで、それぞれがすでに持っている思いや活動を結びつけられないか。まだ構想の段階ですが、得意先と話しながら、できることを探っています。
別の店舗では、地域の小学校につながるベルマークの回収箱を設置する取り組みも行っています。
一つひとつは小さな活動かもしれません。ただ、スーパーには、毎日の暮らしのなかで多くの人が訪れます。商品を買うだけでなく、地域の情報や人の思いに触れる場所にもなり得るのではないかと思っています。
キリンが中心になる必要はありません。
得意先が地域と築いてきた関係に耳を傾け、必要であれば、人や商品、社内にある知見をつなぐ。その結果として、店舗や地域にとって良いことが一つでも生まれたらうれしいです。
まずは目の前の相手と話すことから。店頭に足を運び、見えたことを持ち帰り、また相談する。その積み重ねを続けながら、次にできることを考えていきたいと思っています。